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注文住宅はあなたの思い描く理想の生活を実現できる場所を創ることができます。
しかし多くの人が何らかの思いを持って注文住宅を建てたのにもかかわらず家を建てて後悔してしまっているのですね。
後悔した、失敗したと思ってしまう理由は色々ありますが、大きな原因の一つに注文住宅を建てる流れを知らなかった事が挙げられるでしょう。
注文住宅を建てるには非常に長い期間を必要とします。
その流れの中で何をしなければいけないのかわからないまま振り回されてしまった結果が後悔につながる場合が非常に多いわけです。
しかし、注文住宅を建てるためには雑多な工程が存在し家づくりに関わった方でもなければ次にやるべきことを知るのは難しいでしょう。
そこでこの記事では注文住宅を建てる初心者でも自ら率先して行動できるように注文住宅を建てる流れを以下の5つの工程に分けて解説していきます。
- 行動開始前・事前準備
- 建築会社探し・土地探し
- プランニング・契約
- 工事着工・引き渡し
- 家を建てた後
また、各工程で注文住宅を成功させるコツを解説していくので、理想の注文住宅に住みたい方は必見です!
また、解説に入るまでに失敗しない家づくりで1番重要なことをお伝えします。
「夢のマイホーム」という言葉は、誰しもがワクワクさせる響きを持っています。
しかし、その夢の実現には、大きな落とし穴が潜んでいることをご存知ですか?
「一生に一度の買い物だから…」と、住宅展示場やイベントに足を運ぶ前に、絶対に知っておくべき重要なことがあります。
それは、情報収集の重要性。
多くの人が、理想の家に胸を膨らませ、住宅展示場へと足を運びます。
「とりあえず見てみよう」という軽い気持ちで。しかし、そこにこそ危険が潜んでいるのです。
モデルハウスの洗練された空間に魅了され、営業マンの巧みな話術に乗せられてしまう…。
そして、深く考えずに契約を交わしてしまうケースが後を絶ちません。
その結果、何が起こるのでしょうか?
「こんなはずじゃなかった…」
理想とはかけ離れた家が完成し、何百万円、場合によっては1,000万円以上の損をしてしまうケースも少なくありません。
「もっとしっかりと比較しておけば…」
そんな後悔をしないために、家づくりを始める前には、出来るだけ多くの住宅メーカーからカタログを取り寄せることをおすすめします。
なぜカタログ集めが重要なのか?
運命の住宅メーカーとの出会い: 「ハウスメーカー一択だったけど、工務店のほうが理想に近かった」「ローコスト住宅を考えていたけど、大手メーカーでも予算内で建てられた」など、思いもよらなかった会社と出会えるケースは非常に多い。
価格交渉を有利に: 複数のメーカーから見積もりを取ることで、価格競争が生まれ、数百万円単位で費用を抑えられる可能性がある。
「情報収集は面倒くさい…」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、大切な家族と一生を共にする家のために、少しの時間と手間を惜しむべきではありません。
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この3サイトは、日本を代表する大手企業が運営しているため、掲載企業の審査基準が非常に厳しく設定されています。
悪質な住宅メーカーに引っかかるリスクを抑えることもでき、大きな安心材料と言えるでしょう。
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安心して情報収集に専念できる、非常にメリットの大きいサービスです。
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ただ、3サイトの中でどれか1つ使うなら、
を使っておけば間違いないでしょう。家づくりは、絶対に失敗したくない一大イベント。
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後から取り返しのつかない後悔をしないよう、家を建てるときには面倒くさがらず1社でも多くのカタログを取り寄せてしまうことをおすすめします。
家づくりのとびら・・・ハウスメーカーのカタログ中心
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それでは解説をしていきます。
【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
- 1 注文住宅建築の流れ、その1:行動開始前・事前準備
- 2 注文住宅建築の流れその2:建築会社探し・土地探し
- 3 注文住宅の流れその3:プランニングから契約、住宅ローンの申し込み
- 4 注文住宅建築の流れその4:工事着工~引き渡し
- 5 注文住宅建築の流れその5:家を建てた後
- 6 まとめ
注文住宅建築の流れ、その1:行動開始前・事前準備
「段取り8分、仕事2分」この言葉は職人さんの仕事のコツを表す言葉なのですが、注文住宅を建てる事はまさにこの通りです。
どれだけ徹底的に妥協しないで準備をしたかによって、建てた後の家に差が出てくるでしょう。
この事前準備期間ですべきことは以下の3つ。
- 注文住宅について詳しくなる
- 建てたい注文住宅をイメージする
- 資金計画
この3つの目的を達成するためのポイントをこれから解説していきます。
注文住宅を建てる期間は10ヶ月~2年
工程 | 期間 |
行動開始前・事前準備 | 無期限 |
建築会社探し | 1ヶ月~4ヶ月 |
建築会社の絞り込み土地探し | 1ヶ月~3ヶ月 |
プランニング | 2ヶ月~6ヶ月 |
工事請負契約、住宅ローン申し込み | 1ヶ月~3ヶ月 |
工事着工から竣工まで | 4ヶ月~6ヶ月 |
完了検査・引き渡し・引っ越し | 1ヶ月~3ヶ月 |
この表は大枠で注文住宅を建てる期間をまとめたものです。
この表を見て意外と時間がかかると思ったのではないでしょうか。
実際に工事をする期間は平均5ヶ月程度なのですが、注文住宅の場合は家を建てるまでの準備に時間を使う必要があります。
また、行動開始前・事前準備は期間を決めてはいけない部分。
理想の家を建てるためには、あなたが建てたい注文住宅のイメージと資金計画が大事になってきます。
家のイメージや資金計画をするためにはあなたの知識が必要となってくるので、知識を身に着ける期間が必要になってきますよね。
この知識習得と家のイメージそして資金計画は個人によってスピードと必要な期間が全く違ってくるために無期限としたわけです。
ですから例えば「来年子供が小学校に入る前に家を建てたい」と家について全く知らない方が考えるのは危険と思っていいでしょう。
もちろん、「いつまでに家を建てたい!」と目標を持つことは大切です。
ですが、まだ何も始めていないのでしたら「3年後に家族が新しい家でくつろいでいる姿を想像する」くらいの余裕をもって取り組み始めたほうが丁度良いと思いますよ。
注文住宅を建てたいなら知識習得は必須
注文住宅を成功させる為には、あなたが率先して各工程に参加していかなければなりません。
そのためには知識武装が必要になってきます。
「建築会社にお任せ」では求める家は建てることは出来ないのですね。
例えば知識がほとんど無い状態で注文住宅を建てるとしたらどうなるでしょう。
注文住宅を建てるために最も大切な家のイメージづくりや資金計画は現実的では無い方向に進む可能性があります。
どのような建築会社が自分たちに必要なのかもわかりませんし、土地選定の基準もあやふやでしょう。
建築会社との打ち合わせでは担当者が話していることが理解出来ずに認識の違いが生まれ、トラブルの原因になってしまうかもしれません。
何より建築中の自分たちの家が予定通りなのかチェックすることも出来ませんね。
逆に知識があれば「このような家を建てたい」と考えた大元であるあなた達が直接関わるわけですから当然失敗は少なくなると思いませんか。
自分たちは自分たちの住みたい家の工事ができるわけではないので、その代わり知識を得て関わっていこうというわけです。
さて、注文住宅建築に関わる為に大切な知識習得方法ですが、注文住宅について全くの初心者は本を使いましょう。
「インターネットやモデルルームを見学の方が早くて確実なのでは」と思うかもしれません。
しかし、実はインターネットやモデルルーム見学は注文住宅を建てる初心者にとって危険な落とし穴が待ち構えているのです。
インターネットは最新の情報をタイムラグ無しで大量に仕入れる事ができ大変便利です。
しかし、その大量の情報の中から必要な情報を選別し使う知識が必要になってくるのですね。
ですから注文住宅の知識のない初心者がインターネットを使ってしまうと、情報の精度が分からず間違った知識を覚えてしまう危険性があるのです。
モデルルームについてもモデルルームは建築会社の高いグレードで建てられていて、使っている設備が最新の高グレードの物とは知らないでしょう。
もしモデルルームを基準に家のイメージを作ってしまったら資金計画にも狂いが出てしまうかもしれませんよね。
また知識が無ければモデルルームの営業マンにいいように振り回されて疲れるだけでしょう。
一方、注文住宅を建てる初心者が知識習得に本を使うと以下のようなメリットがあります。
- 本はテーマが決まっていて、その情報が濃く、正確
- テーマが決まっているので余計な情報に振り回されることがない
- 外的要因に邪魔をされず自分のペースで学べる
- 本は著者が何十年、もしかしたら一生かけて得た知識をたった数千円で手に入れられる。
最新の情報という点において本はインターネットやモデルルーム見学に劣ります。
ですが本は注文住宅を建てる初心者にとってデメリットよりメリットが大きい知識習得媒体なのです。
本を使って基礎的な知識を得た後ならばインターネットやモデルルーム見学は最高の勉強の場所になるでしょう。
しかし注文住宅を建てるための情報は建築会社の担当者でも知らないことがあるくらい膨大な量になります。
ですからまず興味を持った事から学んで良いでしょう。
そして徐々に注文住宅を建てる流れの中で必要と思う知識を学んでいくと考えたほうが余計なプレッシャーもなく学び続けられると思いますよ。
注文住宅とはどのような住宅か?
注文住宅とは何もないところに自分たちが住みたいと考えた家をゼロから創っていく作業です。
何もないところから創る事には代わりがないのですが、建築会社の営業形態によって注文住宅の考え方が違ってきます。
また、自由度の違いによって注文住宅はフルオーダーとセミオーダーに分けられるのですね。
それぞれに特徴がありますから、自分が建てたい注文住宅はどの方向性を持てばいいのかをここからの解説を読んで考えてみても良いのではないでしょうか。
注文住宅は「フルオーダー」と「セミオーダー」の2パターン
注文住宅を自分が自由にできる部分に制限が無し、有りで分けるとフルオーダーの注文住宅とセミオーダーの注文住宅に分けることができます。
ここではその違いを解説していきましょう。
フルオーダーの注文住宅
みなさんが注文住宅と聞いて思い浮かべる家は恐らくこのフルオーダーの注文住宅でしょう。
フルオーダーの注文住宅は家の間取りからデザイン、そして使う材料から工法まですべて自分の思い通りにできる家です。
自分が用意できる予算の範囲内、家として成り立つ形で法律に違反してなければ自由に建てることができるわけです。
しかし、自由に建てるためには注文住宅の深い知識が必要になってくるでしょう。
また、自分たちを的確にフォローしてくれてプロの立場から提案してくれる建築会社に出会う必要があるなど時間と労力が必要になってくるのですね。
ですがフルオーダーの注文住宅は苦労した分、理想の家と理想の生活を手に入れられる可能性の高い注文住宅の形という事ができるでしょう。
セミオーダーの注文住宅
あらかじめパッケージングされた中から選んで家を建てる注文住宅をセミオーダーの注文住宅と言います。
「規格住宅」と呼ばれることもありますね。
パッケージングの中身は建築会社により様々で、例えば使う部材は決まっているけれども間取りなどは自由に決められるセミオーダーの注文住宅。
あらかじめ、ある程度決まった間取りがあり、そこに色々とオプションという形で追加し注文住宅を建てるタイプなどもあります。
建てる建築会社があらかじめ決まっている建築条件付きの土地を購入した場合も、建築会社を選べない事からセミオーダーの注文住宅と言って良いでしょう。
建売住宅との一番の違いは、家本体に自分の意見を取り入れた上で建築が始まること。
セミオーダーの注文住宅はフルオーダーの注文住宅に比べて気を使うところが少なくなり、あらかじめ準備された建材や図面を使うので全体的なコストを抑えられる可能性がある等のメリットがあります。
しかし、まだ形が無いわけですから注文住宅を建てる知識は必要になりますし、多少プランニングが楽になりますが、フルオーダーの注文住宅と変わりなく注文住宅を建てる流れを知っていなければ求める注文住宅は手に入らないでしょう。
ですが、どのように住みたいかを優先的に考えた場合、それにセミオーダーの注文住宅が当てはまればセミオーダーの注文住宅を選んだほうが失敗の可能性が少なくなることは確かです。
極端な話、建売住宅が自分たちの求めている事を満たしていれば、大変な注文住宅を選ぶ必要は無いわけです。
自分たちの生活がより良くなるための手段として家を持つ。
このように考えると注文住宅の選択肢の幅や融通性も広がるでしょう。
建築会社の分類によって注文住宅の考え方が違う
建築会社は大きく分けると以下の3つの分類に分けることができます。
- ハウスメーカー・大手ビルダー
- 地域の工務店
- 建築士事務所
この3つは注文住宅を建てることができますが得意な注文住宅が違ってきます。
自分たちが求める注文住宅を成功させたいのなら、その求める部分が得意な建築会社に依頼したほうが当然良いですよね。
ですので以下で3つの建築会社の特徴と得意な注文住宅を解説していきます。
フルオーダーの注文住宅とセミオーダーの注文住宅の違いとあわせて読んでもらって、自分が建てたい注文住宅のイメージの参考にしてください。
ハウスメーカー・大手ビルダー
ハウスメーカーは全国に支店を持つ大手の建築会社。
大手ビルダーとはハウスメーカー程の規模ではないですが、数県にまたがって営業展開している建築会社のことを指して呼びます。
ハウスメーカー・大手ビルダーの特徴は自社のブランドを確立し、自社工場などで同一規格の部材を作成、もしくは大量仕入れによって品質を安定化させ、精度の高い住宅を建てられる点にあります。
また情報が豊富でアフターメンテナンスが充実している点も魅力でしょう。
ハウスメーカー・大手ビルダーの注文住宅は、あらかじめ決まったプランから選びオプションを追加していくセミオーダーの注文住宅が主流になります。
その為、ハウスメーカーの規格から外れた住宅、例えば地形が特殊な形状だったり、特殊な間取りを希望したりなどの場合は、建てられないもしくは割高になってしまう場合があるのですね。
またハウスメーカー・大手ビルダーは宣伝広告費や研究費、人件費用が建築費用に上乗せされる為、基本的に単価の高い注文住宅になるデメリットもあります。
ですが注文住宅に品質の安定性と建築会社の信用を求めた場合はハウスメーカー・大手ビルダーが候補として有力でしょう。
しかし、建築会社の信用があり部材の品質が良くても、性能の高い家が建てられるわけではない事は覚えておきましょう。
地域の工務店
地域密着型の建築会社を一般的に工務店と呼びます。
工務店は注文住宅のイメージがあると思いますが、基本的に自社で施主から直接受注する工務店は注文住宅を建てられると考えて良いでしょう。
基本的にはフルオーダーの注文住宅と考えていいのですが、各工務店は得意分野も違い仕入れできる建材も違ってきます。
ですから、工務店を選ぶ際は自分の求めている工法やデザインがその工務店で可能なのかは確認する必要があるでしょう。
工務店を選ぶ魅力は予算やデザインの融通性が高いこと。
ハウスメーカーではまねできない独自の技術を持っている工務店が多いことが挙げられます。
独自の技術・特性を生かしたセミオーダーの住宅を扱って工務店もありますから調べてみてもいいでしょう。
工務店の中にはフランチャイズ加盟店になっているところもあります。
フランチャイズとは、大手のメーカーが家の基本仕様や部材を開発、そして情報発信を担当し、工務店に技術と店名を提供して営業展開している建築会社。
フランチャイズはハウスメーカーに近い注文住宅になるのでセミオーダーの注文住宅となるのですが、工務店の融通性の高さと品質の安定感を兼ね備えている特色があります。
また大量仕入れによるコストダウンの可能性も高いので、工務店でセミオーダーの注文住宅を考えているのなら候補として考えてもいいかもしれません。
工務店のデメリットは将来的な倒産や後継者がいないための廃業などの可能性があること。
アフターメンテナンスがハウスメーカーに比べて弱いことが挙げられます。
しかし、工務店は注文住宅を思い通りに建てたい方にとってはバランスの良い発注先でしょう。
建築士事務所
建築士事務所はハウスメーカーや工務店に所属せず、自ら設計や施工管理を行う建築士・建築家が所属する事務所。
建築士事務所は理想の間取り、デザイン、性能をプロの判断を交えながらゼロから創りたい方におすすめの依頼先です。
建築士事務所に依頼すれば注文住宅の設計と注文住宅を建てる工務店が全く別の利益形態となるのでプランニングに集中できることが大きなメリット。
また、施工管理を設計を行った建築士・建築家が行う発注形態もあり、その場合は施工ミスが少なく、ごまかしが無い注文住宅を建てられる可能性が非常に高くなります。
しかし建築士事務所に所属する建築士・建築家は個々のこだわりが強くデザインに偏りがあるので、自分たちに合った建築士事務所を探すのは大変と認識しておく必要があるでしょう。
相場から建てたい家の目安を知ろう
注文住宅を建てるには最初に自分たちが建てたい家のイメージを持つことから始めなければいけません。
しかし、自分たちの予算でどのような家を建てられるのかがわからなければ、建てたい家のイメージは難しいでしょう。
この章では家本体工事費用の相場を知ってもらうと共に費用ごとの家の傾向、ポイントを紹介していきます。
平均的な相場はいくら
項目 | 土地あり | 土地なし |
建築費用 (住宅ローン+頭金) |
3,452万円 | 4,256万円 |
頭金 | 622万円 | 443万円 |
土地代 | - | 1,382万円 |
建物本体費用 | 2,762万円 | 2,299万円 |
世帯年収 | 598万円 | 627万円 |
延床面積 | 125.8㎡ | 111.5㎡ |
土地面積(中央値) | 247.4㎡ | 198.3㎡ |
予定返済額/月 | 9.3万円 | 11.7万円 |
(住宅金融支援機構2019年フラット35利用者調査 より)
これは全国の平均を出した表なので実際のあなたに当てはまるとは限りませんが一つの目安として見てください。
さて、この表ではデータを基にした数字を出しましたが、実は注文住宅には住宅ローン+頭金ではわからない費用があるのです。
こちらの表は注文住宅を建てる為に必要な総資金をまとめた物です。
恐らくみなさんは注文住宅を建てる費用と考えた場合、赤枠内の土地代・建物本体工事+付随工事を考えるでしょう。
しかし実際には諸経費や貯蓄なども必要になってくるのですね。
そして頭金や諸経費、貯蓄は現金で準備しなければいけない費用。
付随工事と建物本体工事の違いも理解する必要があるでしょう。
注文住宅の相場について考える場合、最初にこれらの費用を知る必要があるんですね。
建物本体価格については次に解説するので、ここでは付随工事、諸経費、貯蓄についての一般的な相場と頭金についての考え方について解説します。
付随工事
付随工事とは注文住宅を建てる際、建物本体工事以外に発生する工事の総称です。
解体工事・造成工事 | 建て替えもしくは中古の家付きの土地を購入、不整地を購入した場合に発生する費用 |
地盤調査・地盤改良工事 | 家を建てる地面の強度を調査する費用、そして地盤の強度が低いときに地盤の強度を上げる工事費用です。 |
足場設置・仮設トイレ等 | 建物本体工事に必要な各種仮設設備の設置費用 |
産業廃棄物処理費用 | 建築現場で出た資材のゴミの処理費用 |
引き込み工事 | 水道やガス管、電気通信配線などを家まで引き込む工事費用 |
インテリア関係 | カーテンや照明器具、エアコン費用など |
エクステリア工事関連 | 外構工事や庭を作る工事費用 |
付随工事費用の目安は建物本体工事費用の約2割。
建物本体工事費用が仮に2,000万円でしたら約400万円が付随工事費用として必要なわけです。
付随工事費用で注意しなければいけない費用が「解体工事・造成工事費用」と「地盤改良費用」
解体工事費用の相場は以下の表を参考にしてください。
解体する家の構造 | 解体費用の目安 |
木造 | 3万円~5万円/坪 |
鉄骨造 | 4万円~7万円/坪 |
RC(鉄筋コンクリート)造 | 6万円~8万円/坪 |
解体工事費用は土地に重機が入れなかったり、隣の家が近すぎたりすると高くなる傾向があります。
造成工事費用は土地の形状により大きな開きがあり平均10万円前後から100万円以上かかる場合も。
このようにある程度の費用の目安を知らないと資金計画に狂いが出てしまう部分なので、早めに概算見積もりを取った上で資金計画を組むと間違いがないでしょう。
次に地盤改良工事。
地盤改良工事費用は地盤調査後にしか正確な費用がわかりません。
しかし地盤が悪ければ150万円以上必要な場合があります。
ですので、最初に多めに費用を準備しておいて、地盤改良工事費用が少なかったら建物本体費用に回すくらいの余裕を持った計画を組んだ方が予算オーバーなどの失敗が防げると思いますよ。
付随工事は基本的に建築会社の見積もりに含まれる範囲の工事となり、住宅ローンでまかなえる費用です。
しかし、建築会社によって付随工事の扱いが違うので、契約前に見積書の内容をしっかり確認することが大切でしょう。
諸経費
不動産取得に関わる税金 | ・不動産取得税 ・固定資産税 ・都市計画税 家を持つことによって支払わなければいけない税金です。 現在は軽減措置や優遇措置が充実しているので無駄なく利用していきましょう。 |
印紙税 | 法律で決められた契約を行うときに印紙として支払う税金です。 ・建築会社と交わす「工事請負契約書」 ・金融機関で住宅ローンを組む際の「金銭消費賃借契約書」 |
登記費用 | 住宅ローンを借りる際の抵当権や法務局で行う各種登記費用。 また上記手続きを司法書士、弁護士へ依頼する費用が必要です。依頼料については事務所ごとに違ってきます。 |
事務手数料 | 各種登録や金融機関へ支払う事務手数料も現金で準備しなければいけない費用です。 |
火災保険料 | 住宅ローンを組む条件として火災保険に加入が通常必要です。 |
団体信用生命保険 | 住宅ローンの契約者が死亡または高度障害で住宅ローンの支払いができなくなったときに住宅ローンの支払い義務がなくなる保険。 住宅ローンの金利として含まれる場合もあります。 |
付随工事に含まれない工事 | 建築会社とは別に発注する場合の外構工事やエクステリア工事、または見積書に含まれない工事は諸経費として現金で準備する費用となります。 |
地鎮祭・上棟式費用 | 上棟式費用 地鎮祭の時に神主さんへの謝礼 上棟式の大工さんに渡す御祝儀など |
工事中の差し入れ | 建築会社によってはいらないところもありますが、頑張っている職人さんへの気持ちとして、現場に行くときは準備してほしいですね 近隣への挨拶回り 工事中は何かと騒音が付きまといます。お茶菓子を包んで工事着工前の挨拶回りは、住んだ後の近所付き合いの上でも大切な事でしょう。 |
諸経費はこの表のような各種手数料や、付随工事扱いでない工事費用となります。
諸経費の目安は土地代+建物本体工事費用+付随工事費用の約6%~9%。
土地代500万円、建物本体工事費用2,000万円、付随工事費用400万円だった場合、約170万円から260万円ほど現金で準備しておかなければなりません。
諸経費は金融機関によっては「諸経費ローン」という諸経費をまかなえるローンを扱っています。
しかし住宅ローンとは別に支払わなくてはいけないローンとなる為おすすめしません。
注文住宅は建てた後も住宅ローン以外の費用が必要になってくるので余計な出費は控えたほうが賢明です。
諸経費は意外と資金計画で計上漏れや不足が多い費用ですので、基本的に多めに計上していたほうが良いでしょう。
貯蓄
貯蓄は注文住宅を建てる事に直接関わる費用ではありませんが、注文住宅を建てる為に準備する費用の中で最も重要な費用と言って良いでしょう。
貯蓄とは「家族に何かあった時の為の余剰資金」なのです。
「家族が急に入院した」
「会社が倒産して仕事がなくなった」
このような時、今まで貯めていた貯蓄を注文住宅を建てる為に全て使ってしまっていたら大変な事になりますよね。
この家族に何かあった時の為の貯蓄は生活費の最低6か月分。
家という資産を持つのなら、家族が安心して暮らせる状況も考え資金計画を組むべきでしょう。
頭金の考え方
頭金は先ほどの住宅金融支援機構のデータより全国平均で【土地あり】は約622万円、【土地なし】の場合は約433万円準備しています。
頭金は準備したほうが住宅ローンも借りやすく、資金的余裕ができるなどのメリットが多いことは確実でしょう。
しかし、頭金を準備するために「諸経費」や「家族に何かあった時の為の貯蓄」を切り崩す事だけはやめてほしいです。
頭金はこのように自己資金の中から「家族に何かあった時の為の貯蓄」と「諸経費」を引いた残り、つまり余剰資金で準備すると考えたほうが資金計画の失敗は少なくなるのですね。
ですから状況によっては頭金なしの選択肢も考えられるでしょう。
例えば、今のアパートの家賃より注文住宅を建てた後の支払いが低く、資金計画にも無理が無いなどの場合は頭金なしの選択肢は可能になります。
ただし、資金的余裕が無いから頭金無しの選択は失敗の元ですよ。
後程解説しますが、家を建てた後にも必要な費用があるわけです。
今資金的余裕がなければ家を建てた後に資金的余裕が生まれるとは考えにくいでしょう。
注文住宅を建てるお金の失敗は取り返しのつかない場合が多いですから、必要な費用の相場を知りつつ慎重に進んでほしいところです。
建物本体工事費用の相場別:注文住宅の方向性
先ほどの住宅金融支援機構のデータでは建物本体建築費用の全国平均は【土地あり】で約2,762万円、【土地なし】で約2,299万円でした。
しかし実際は1,000万円台から4,000万円以上と建物本体工事費用には大きな違いがあるのですね。
そして、この建物本体工事費用の違いは注文住宅の方向性の違いとして現れています。
ですから、自分たちが準備できる予算でどのような注文住宅を目指す事ができるのかは知っていたほうが良いでしょう。
以下で建物本体工事費用の相場別で注文住宅の傾向とポイントを解説しますので、建てたい家のイメージに役立ててください。
1,000万円台の家
建物本体工事費用1,000万円台は全国平均と比べると費用的に少ない部類と言えるでしょう。
しかし工夫次第で十分に求める注文住宅を建てることができます。
ポイントはシンプルでオープンな間取り。
- 外観は長方形や正方形で凹凸が少なくシンプルに、屋根も切り妻や片流れがベスト
- 間仕切りを少なくしてオープンな空間を目指す
- 設備機器は標準的な仕様を選ぶ、外壁、床材、クロスなども標準的なグレードを使う
- 水回りは一か所に集中する方向で考え、家事動線も短くなるように間取りを考える
このような工夫をすれば建築費用を抑えつつ求める注文住宅を建てることができるでしょう。
1,000万円台の注文住宅は基本的にコストダウンの方向で考えるべきなのですが、収納と断熱性能は確保してほしい部分です。
収納を少なくするとコストダウンには効果的です。
しかし、1,000万円台の注文住宅は基本的にコンパクトにまとまった家になるでしょう。
その限られた空間に物があふれてしまっていては窮屈になる事は目に見えていますよね。
無駄に収納を作る必要はありませんが、目的をハッキリさせた収納を作ることによってこのような失敗も防げ費用も無駄にならないでしょう。
断熱性能については家の快適性や住みやすさに直結する部分。
また毎月の光熱費の差も大きく出るのでぜひ求めてほしい性能です。
断熱性能を求めればコストが高くなると考えがちですが、安い断熱材でも施工をしっかりやれば十分な断熱性能は確保できるものです。
本体工事費用が安い建築会社でも断熱性能が高い建築会社は意外とありますから探しても良いかもしれませんよ。
注文住宅は自分で選べることがメリット。
この選ぶ事は高いものを選ぶだけではなく安くて良いものを選ぶという選択肢もありますよね。
ですから、注文住宅だからこそ1,000万円台でも安くて良いものを使い、自分たちが住みやすい住宅を建てる事ができるのです。
2,000万円台の家
2,000万円台の建物本体建築費用は全国平均から見ても平均的な相場になります。
しかし、こだわりを十分に表現するには予算的に若干少なく、希望を盛り込みすぎて予算オーバーになりやすい費用帯なんですね。
予算オーバーは家を建てた後の負担となってしまうので、出来れば避けたいところ。
2,000万円台の注文住宅で予算オーバーを避けつつ求める家を建てるコツは予算配分にメリハリを持たせる事です。
- キッチン回りにこだわり2階はシンプルに作る
- 断熱性を高くして、外装や内装は一般的な材料を使う
- 壁の少ない間取りを採用してコストダウン、その分の費用で床を天然無垢材で仕上げる
- 吹き抜けを作ってリビングを快適に、床面積が減るのでコストダウンと税金対策
このようにこだわる部分とコストダウンする部分をハッキリ決めて間取りを考えると失敗は少ないでしょう。
もしどうしても2,000万円台で求める注文住宅を建てることが難しいようでしたら無理をせず、3,000万円台の注文住宅が建てられるまで貯蓄をするなど、今建てる以外の選択肢を選ぶべきです。
注文住宅は建てることが目的ではなく建てた後に家族が幸せに暮らす場所を創ることが目的のはず。
無理は無駄な失敗に繋がりますよ。
3,000万円台
建物本体工事費用3,000万円で注文住宅を建てるなら積極的に家の性能を求めてみてはどうでしょうか。
家の耐震性・耐久性は住む人に安心を与えてくれます。
断熱性・気密性が高ければ、快適性や防音性が高くなり年中住みやすい家となるでしょう。
またヒートショックなどの健康面の心配も少なくなるのですね。
家計も光熱費が安くなるので楽になるはずです。
家の性能を上げると建築費用は当然高くなりますが、税金や住宅ローンの優遇が受けられ、多くの補助も利用できるので思ったよりコストアップにならない部分ですよ。
3,000万円台の注文住宅は、あなたのすべての希望をかなえることは難しいですが、デザインと性能のバランスの取れた家を建てる事ができる相場と言えるでしょう。
4,000万円以上
4,000万円以上の相場は、かなり自由度の高い注文住宅を建てることができます。
「浴室にミストサウナをつけよう」
「屋上バルコニーを検討したい」
「ビルトインガレージと作業場を併設する」
このように家族の希望をふんだんに盛り込みつつ設備や素材のグレードを上げることが可能でしょう。
しかし、「建築会社にお任せ」では予算があっても後悔が残る家になってしまうのですね。
自分たちが率先して行動して初めて豊富な予算が生かされるわけです。
せっかく十分な資金があるのですから、その資金を無駄にしない為にも入念な準備をしてほしいですね。
ゼロから建てる注文住宅は家のイメージが重要
注文住宅は自由に自分のイメージ通りに家を建てられることが最大の魅力です。
しかし、逆に言えば家のイメージ次第では住みやすい家になるか失敗した家になるか決まってしまうと言えるわけです。
全く何もないゼロから理想の家を作り上げるには家のイメージは最も重要事項でしょう。
この家のイメージづくりですが、好き勝手に作って良いわけではありません。
家のイメージは現実の家に繋がらなければいけませんから一定のルールがあります。
このルールを覚えた上で家のイメージを作ることで失敗しない注文住宅を建てる事ができるのですね。
- 間取りづくりを学ぶ
- 家族で意見を出し合う
- イメージを具体的にしていく
家のイメージをしっかりしたものにするためには、この3つの順番で進めていくとよいでしょう。
以下でこの3つのポイントの詳細を解説していきます。
間取りづくりを学ぶ
家のイメージづくりの中心は間取りづくりになるでしょう。
間取りとは簡単に言えば部屋の配置です。
部屋の配置が集まって家の形になってくるわけですから、間取りづくりは家づくりの要(かなめ)と言って良いかもしれません。
また、部屋の配置を決めながらデザインや使い勝手を決めていく作業も間取りづくりに入ります。
間取りづくりの最終目標は自分たちが本当に求めている注文住宅を知ることと、そのイメージを建築会社に正確に伝える事。
この2つを達成するためには間取りの基礎知識を持つ必要があるでしょう。
間取りの基礎知識は次で紹介する2冊の本を読むことから始めることをおすすめします。
間取りづくりの成否は注文住宅の成否に関わると考えてじっくり時間をかけて家のイメージを固めていきましょう。
- 【住まいの解剖図鑑】、【間取りの方程式】
どちらの本も住宅の本を紹介するサイトでは必ずと言っていいほど紹介されている良書です。
両方ともイラストやたとえ話をふんだんに使い、初心者でも詳しく間取りを学べる点が最大の特徴。
「なぜその間取りなのか」「住みやすいコツはどこか」など、間取りに関してほぼ網羅できるでしょう。
この2冊は根本では同じ事を解説していますが著者が違うため別の視点で間取りを学ぶことができるので、ぜひ2冊とも読んでほしい本です。
家族全員で意見を出し合う
間取りづくりで最初にすることは家族全員の希望を集めること。
「キッチンは広く使いたい」
「お兄ちゃんと別の部屋が欲しい」
「庭の見えるリビングを作りたい」
このような希望をドンドン間取りに取り入れてみましょう。
最初は多少無理な間取りでも構いません。
ポイントは何度もトライアンドエラーを繰り返し、間取りのパターンを増やしていく事。
また、家族全員で将来住むであろう家を思い描いて、楽しく間取りづくりをすることも大切ですね。
家族全員なので、例えば2世帯住宅を検討されているのなら必ず親御さんの希望も聞くべきです。
任せると言われても無理やり聞き出しましょう。そしてできるだけ家に反映させる努力をする。
そうすることで一緒に住んだ後の世代間の意見の違いによるストレスや嫁姑のトラブルも避けやすくなりますよ。
この間取りづくりですが、何度も紙に書いていては大変ですよね。また家全体をイメージするのも大変でしょう。
そこで、間取りづくりのお役立ちアイテムとして間取りシミュレーションソフトとアプリを紹介します。
間取りシミュレーションソフト・アプリは、今まで紙に書いていは消してを繰り返していた間取りを画面上で簡単な操作で作れてしまいます。
また、昔は本格的なCADなどでしか不可能だった3D表示も簡単に見られるソフトも多く、建てたい注文住宅をイメージしやすい。
家具などの配置も可能なソフト・アプリが多いことも魅力の一つでしょう。
しかも、ほとんどの間取りシミュレーションソフト・アプリは無料で使える機能だけで十分に間取りづくりが可能な点もおすすめの理由です。
ここではパソコン用、スマホ用を一種類ずつ紹介しますが、まだまだ無料のソフトアプリはあるので自分に使いやすい1つを手軽に探して見てはどうでしょうか。
- パソコン用:【マイホームクラウド】
無料でほとんどの機能が使える間取りシミュレーションソフト。
アイコンを選び配置していく操作がメインなので、パソコンを苦手にしている方でも簡単に使うことができるでしょう。
3D視点はもちろんのこと、まるで自分が部屋の中にいるような感覚で間取りを見ることができる一人称視点が特徴。
1,000点以上の間取りサンプルが準備されているので、サンプルをベースに間取りを作る事もできます。
有料版もありますが無料版で十分に間取りづくりに役立つでしょう。
- スマホ用【Planner 5D-インテリアデザイン】
Android、iPhone両方に対応した間取りシミュレーションアプリ。
操作も比較的覚えやすく、平面図や3D視点の他にAndroid版ではバーチャル視点を選択できる特徴があります。
このアプリの魅力は美しいグラフィックの各オブジェクト。
無料版でも150種類以上のオブジェクトが選択できるのですが、有料版になると3,000種類以上も選択できてしまうので、無料版で物足りない方は有料版を買ってもいいでしょう。
有一の欠点が海外製の為、畳などの和風オブジェクトが無いことでしょうか。
それでも機能の充実ぶりは家のイメージを膨らませるには十分と言えます。
イメージを具体的にして、譲れない部分を絞り込む
家族の意見を聞いて間取りを何度も作っていくと自分たちが建てたい注文住宅がハッキリしてくるはずです。
そうなったら今度は間取りを具体的にしていく作業に入ります。
間取りを具体的にする際は以下のことに気を付けながら間取りを作ると良いでしょう。
動線を考えた間取り
特に家事動線を中心に考え、同じ時間帯になる動線はクロスしないように考えると使いやすい間取りになる傾向があります。
予算の範囲内に収める努力をする
先ほど話した注文住宅の相場を参考にしつつ、メリハリを持った予算配分に心掛ける。
実際の大きさを体感
実際の大きさをイメージできなくて失敗した例は多くあります。
展示場などで部屋の大きさや天井高、デザインを体験するとともに、家具などはメージャーで大きさを体感することが大事になってきます。
デザインを優先しすぎない
様々な資料を見ているとカッコイイと思える家がたくさん載っているので真似したくなる気持ちは十分わかります。
しかし、そのデザインの意味を知らないで見た目だけ真似してしまうと使い勝手の悪い家になりやすいのですね。
使い勝手、住みやすさを優先した結果カッコイイ家になったと考えたほうが失敗は少ないでしょう。
住宅の性能も考える
住宅の性能に関わる部分は家が完成してからは、家を建て替えるレベルのリフォームでしか変更できない部分なので求めてほしいところです。
特に断熱性や気密性は求めなければ手に入らない家の性能なんですね。
ランニングコストや快適性に直結する部分なので、自分たちの予算内で何ができるか検討してみましょう。
間取りづくりでの注意点が1つあります。
それはイメージをガチガチに固めてしまわないこと。
注文住宅は土地に家の形が依存してしまうので、土地から探す場合はまだ家の形は決定できないでしょう。
また、設計の段階で予想以上のコストがかかる間取りかもしれません。
まだ不確定要素が多い段階でイメージを固定してしまうと、家が完成した時に不具合が出てしまう可能性があるのですね。
ですから間取りづくりの段階では譲れない部分を2~3ヶ所に絞って、その譲れない部分を中心に、今まで作ってきた間取りのパターンをあてはめていく方法が良いと思いますよ。
間取りづくりでは家の方向性をしっかり持ちつつ融通性を持つ事がポイントでしょう。
失敗例から学ぶ注文住宅の押さえるべきポイント
注文住宅を建てる初心者がいくら知識を得ても不足するものに経験があります。
住宅関連の仕事についているならまだしも、今まで家について考えたことが無かった方がほとんどでしょうから当然でしょう。
しかし、注文住宅を建てる事の経験不足からくる失敗は非常に多いことも事実です。
この経験不足からの失敗を防ぐ方法として、注文住宅を建てた先輩方の失敗から学ぶという方法はどうでしょうか。
つまり、先輩方の失敗を疑似体験して、自分たちが注文住宅を建てる時にその部分に気を付けるというわけです。
注文住宅を建てた先輩方のありがたい失敗は大きく分けると以下のようになります。
- 注文住宅を建てるお金の失敗
- 間取りづくりの失敗
- 設備の失敗
- 外回りの失敗
- 生活環境の失敗
- 建築会社選びの失敗
- 土地探しの失敗
自分たちが同じ失敗をしないように参考にさせてもらいましょう。
1、注文住宅を建てるお金の失敗
注文住宅を建てるお金で一番多い失敗は予算オーバーしてしまったとの声。
「業者の言いなりで設備を増やしたら予算オーバーしてしまった」
「予算に余裕があると思ってあちこちこだわったが、地盤改良費用が必要になり結局プラン変更となってしまった」
予算オーバーは注文住宅を建てた後にも関わる部分ですから出来れば避けたいところ。
予算オーバーや資金計画が甘かった為に起こる失敗もありますから紹介しておきましょう。
「住宅ローンの返済にボーナスを含めたが、ボーナスが大幅に減ってしまった」
「住宅ローンの負担が大きくて、老後の資金が貯められない」
注文住宅は建築費用を積み上げ式でいくらでも増やせることがデメリット。
家の方向性をしっかり持ち、常に注文住宅を建てた後を考えた予算計画とメリハリを持った予算の使い方を心掛ける必要があるでしょう。
2、間取りづくりの失敗
2-①:動線
「朝の忙しいときにぶつかってしまって準備がしにくい」
「家事がしにくい」
「お客さんがいるときに通りにくい」
このような失敗は動線を考えないで間取りを考えたときに起こりやすい失敗です。
動線とは何かの行動をするときに動く経路。
- 家事動線:洗濯や料理など家の仕事をする際の経路
- 生活動線:リビングやトイレ、部屋などへのアクセス経路
- 衛生動線:洗面所やお風呂、トイレへの経路とは位置
- 来客動線:来客の通り道や見える部分の配置
- 環境動線:エアコンの風の向きや聞き具合、採光や風通しなど
動線の種類は切りがないのですが。基本的に家事動線を中心に各動線を考えると収まりが良いでしょう。
家事は家の仕事では一番重労働ですからね。
また各動線は短く、時間帯が重なる動線は重ならないように考える事もポイントです。
2-②:水回り
「トイレの音がリビングに響く」
「トイレを開けると玄関やリビングから丸見え」
「トイレが寝室から遠くて使いにくい」
水回りの失敗で多いのがトイレの配置、音の失敗。
基本的に水回りは1か所にまとめる方向で考えたほうが収まりもよく失敗が少ないのですが、今の住宅はオープンな間取りが多いために起きてしまう失敗ですね。
トイレはプライベート空間という考えで扉の中が見えにくい配置に心掛けるべきでしょう。
音に関しては壁の防音や排水管の防音である程度緩和できるので、建築会社に聞いてみると良いですよ。
2-③:収納
「リビングに子供のおもちゃがあふれている」
「服をしまえない」
「玄関に靴があふれている」
収納が足らないとの声は非常に多いですね。
先ほども少し話しましたが収納はコストダウンに繋がりやすいので削る場合が多いですが、基本的に収納は合ったほうが使い勝手は良くなります。
しかし、収納を作りすぎたり、目的が不明瞭だったりすると次のような失敗があるのですね。
「収納を作りすぎて家具が置けない」
「奥の物が取れない」
「衣装ケースが入らない」
収納は目的をもって作ることにより費用も無駄にならず、住みやすいスッキリした家となるでしょう。
また、物の上下移動は意外と大変です。
小屋裏収納庫はデッドスペースを利用した収納で有効なのですが、天井高が低く動きにくい。
また年を取れば上下の移動はあまりしたくないもの。
小屋裏収納庫はメインの収納というよりは季節物などを気軽にしまえるスペースとして使ったほうが効果は高いので覚えておいてください。
2-④:部屋の数、大きさ
「子供部屋が足らなかった」
「和室を作ったが結局物置になっている」
「ベットで部屋がいっぱいになってしまった」
「ソファーでリビングの通路がなくなった」
部屋数の失敗は将来の使い方に融通性を持たせると少なくなります。
例えば子供部屋を将来仕切れるように間取りを最初から考えている。
和室を独立させないでリビングの一部として作るなどですね。
また、部屋の大きさをイメージすることは慣れないと意外と難しい部分です。
家具をメジャーで測る癖をつける、建築中の自分たちの家で実際に大きさを測るなど体感すると事が失敗しないポイントでしょう。
3、設備関係での失敗
3-①:コンセント・スイッチ関係
「掃除機のコードが届かない」
「コンセントが家具に隠れて使えない」
「スイッチがドアで隠れてしまう」
「夜のことを考えて廊下の反対側にもスイッチをつければよかった」
コンセント・スイッチは基本的に多いに越したことのない設備です。
数を確保しつつ、建築途中の現場で手を伸ばす、実際に使った過程で動いてみる等をすると過不足なく配置できるでしょう。
また、コンセント・スイッチ類は家が完成してしまうと増やすことが難し設備です。
多少コストがかかっても数を確保した方が良いですよ。
3-②:取り付けたが使っていない
「浴室にテレビをつけたがお風呂でゆっくりする習慣がなかった」
「食洗器のスペースを収納にすればよかった」
「進められて床暖房をつけたが電気代が気になって使っていない」
せっかくの設備も使わなければ限られた予算の無駄になってしまいますよね。
その場の雰囲気で選んだ設備は飽きてしまう可能性があります。
家のイメージづくりでこだわりたい部分に入っていない設備は、基本的に標準を選んだほうが無駄もなく飽きも来ない事は覚えておきましょう。
4、外回りの失敗
4-①:外壁
「色がイメージと違った」
「外壁の痛みが激しい」
外壁は家の見た目を決める部分ですからこだわる場合も多いでしょう。
しかし、小さなサンプルで判断したり、デザイン優先でメンテナンスなどを考えなかったりするとこのような失敗が起きてしまいます。
- なるべく大きなサンプルや他の家の色やパターンを参考にする
- 常に太陽光や雨風にさらされる部分と認識する
外壁はこの2点を注意して選ぶと失敗は少なくなるでしょう。
4-②:ベランダ・ウッドデッキ
「とりあえずベランダをつけたが洗濯物を干すには狭すぎた」
「流行りのウッドデッキをつけてもらったが道路から丸見え」
「ウッドデッキが傷んでいるのに気が付かず、けがをしてしまった」
ベランダやウッドデッキは気軽に家の中から外にアクセスできるメリットはありますが、どう使うか目的を持たないと無駄な設備になってしまいます。
また両方とも定期的なメンテナンスをしないと劣化してしまうデメリットがあるのですね。
使う目的とメンテナンス費用を比較して使う目的の方が優っていれば設置を検討するくらいの方が失敗は少ないですよ。
4-③:車庫や外溝
「外溝は数年後で良いと考え費用を準備しなかったが、雨のたびに地面がぬかるむ」
「土地の空きスペースを車庫としたが狭くて荷物の出し入れができない」
注文住宅を建てるときはどうしても建物本体に気持ちが行きがちですが、土地全体を生活空間と考えるとこのような事は防げるでしょう。
同時に土地全体を考えて家の間取りを考えることにより、光の差し具合や空間の使い方も効率的になる傾向にあります。
5、生活環境の失敗
「リビング階段にしたけど2階の部屋にリビングの音が響きすぎた」
「吹き抜けを作ったけど1階が寒い」
「外の騒音が思ってたよりうるさい」
暑い、寒い、うるさいなどの生活環境の失敗は快適性を損ねるだけでなく、健康面にも影響する場合があるのでよく考えてほしい部分です。
しかし、基本的には対策を知っていれば防げる失敗といえます。
リビング階段、吹き抜けは空間を開放的にできるメリットがある反面、音やにおいが伝わりやすい、1階の熱が2階に逃げるなどのデメリットを理解して選択すべきなんですね。
同時に、各部屋の壁やドアの防音、家の断熱気密性を上げるなどの対策をしていれば快適性とデザインを満喫出来たわけです。
外の騒音についても家自体の断熱性・気密性を上げて対策するだけでなく、騒音の発生側の窓を少なくする、寝室など静かにしたい部屋を持ってかないなどで防げる失敗です。
知っていれば防げる失敗は結構あるので常に興味を持って調べる事も失敗を防ぐためには大事でしょうね。
6、建築会社選びでの失敗
「今考えれば担当者が売ることばかり考えていたと思う、関係が悪くなるのがいやで意見にながされてしまった」
「打ち合わせが少なく意見の食い違いがトラブルに発展してしまった」
「私たちの意見を聞くだけで何も提案がなく、決めるのに苦労した」
「ハウスメーカーが安心だろうと依頼したが選択肢が少なすぎた」
「知り合いの紹介の工務店で建てたが仕上がりに不満がある、しかし紹介を受けた手前強く言えない」
いくら完璧なイメージをしても建築会社がいなければ家を建てられません。
しかし、建築会社に自分たちのイメージを形にできる能力がなければ理想の家は建てられないのです。
また、注文住宅を建てる素人の私たちには経験豊富なプロ視点の提案は必須でしょう。
ここに挙げたような失敗を防ぐ方法は建築会社探しを妥協しない事と言えます。
自分たちにとって最良の建築会社の探し方については後程紹介するのでしっかり読んでみてください。
7、土地での失敗
「駅までが遠すぎた」
「土地を先に購入たら理想の家が建てられなかった」
「お隣と生活時間帯が違いすぎて気を使ってしまう」
「日当たりを考えなかった」
怖い失敗例で「ハザードマップを気にせず土地を買ってしまって災害にあってしまった」などもあります。
注文住宅を建てる土地を決める事は、永住する場所を決めるという事です。
ですからこのような失敗はなるべくしたくないですね。
- 家と土地はセットで考える
- 家族の安心と安全を優先する
- 自分の目で直接土地を見て判断
土地選びはこの3つの事を中心に探せば失敗は少ないですよ。
土地探しについても後程詳しく解説しますね。
資金計画は将来を考えた計画が必要
注文住宅を建てる為には最初に自分たちが準備できるお金の総額を知らなければいけませんよね。
注文住宅を建てる費用は自己資金の他にほとんどの方が住宅ローンを利用するでしょう。
この住宅ローンの借入額は自分たちが思っているより借りられてしまいます。
ですが、借りられたとしても返せるとは限りませんよね。
住宅ローンは「借りられる金額ではなく返せる金額」を考えて借りることが大前提。
そうしなければ家を建てた後に返済で苦労することは目に見えています。
建築会社や金融機関は残念ながら、できるだけ工事費用が高い方が良いですし、多く借りてくれた方がうれしいわけですから、提示する住宅ローンの借入額は「借りられる」金額になってしまいます。
そうでない建築会社はもちろん存在しますが、基本的に「返せる金額」は自分で算出しなければいけないのですね。
この返せる金額は毎月の生活費はもちろんですが、次のような事も考えなければいけません。
- 住宅ローンの返済期間中で一番お金のかかる時期
- 余剰資金
- メンテナンス費用
また、注文住宅を建てるためのお金や住宅ローンにも詳しくなる必要があるでしょう。
ここでは上記3点について解説するとともに住宅ローンで失敗しないコツを解説していきます。
住宅ローンの返済期間中で一番お金のかかる時期
住宅ローンは20年や35年と長い期間返済を続ける必要がありますよね。
このお間に家族のライフスタイルも変化するでしょう。
住宅ローンはこのライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるように借入額を決めなければいけません。
例えば、子供がまだ学生でしたら、大学を卒業して就職するまでが一番お金がかかる時期でしょう。
40才台、50才台で注文住宅を建てるなら、将来の医療費の増大や退職後を基準に借入額を決めるべきですね。
車や家電の買い替え時期も検討項目です。
また、現在は終身雇用の形態も崩れ社歴で収入がアップする保証も無く、ボーナスが安定しているわけでもないですから、現在の手取り金額をベースに借入金額を算出したほうが安全です。
一番お金のかかる時期は「このくらい」では無く、しっかり時系列を紙に書きだして家族で話し合うことも大切でしょう。
手を抜くと思わぬ失敗があるものです。
余剰資金
余剰資金とは「家族に何かあった時の為の貯蓄」です。
注文住宅を建てる際に準備した貯蓄を維持し続けるわけです。
家族の幸せはお金だけでは得られませんが、現実問題としてお金がなくては家族の幸せは維持できないでしょう。
厳しい言い方ですが、この貯蓄を維持できないような資金計画しか組めないようでしたら、今は家を建てる時期では無いと考えたほうが後々に後悔しないで済むと思いますよ。
メンテナンス費用
注文住宅は建てて終わりではありません。
定期的なメンテナンス工事を行い、家の性能を維持しなければいけないのです。
逆に言えば、今の住宅はメンテナンス工事さえしっかり行えば何十年と快適に住み続ける事ができる作りになっているのですね。
メンテナンス工事には以下のような物があります。
- シロアリ予防工事(5年~10年ごと)
- 外壁・屋根のメンテナンス、塗装(10年~20年ごと)
- バルコニー防水工事(10年~15年ごと)
この3つは家の性能を維持するためのメンテナンス工事となり、この他にクロス張替えや設備機器の修理交換費用なども必要になってくるでしょう。
ライフスタイルの変化に合わせてリフォーム前提で注文住宅を建てた場合はリフォーム費用も必要ですね。
注文住宅のメンテナンス費用は家の大きさや使っている材料によって変わってくるのですが、おおよそ10年間で100万円~300万円必要になってきます。
ちなみに、ハウスメーカーなどが広告している「50年保証」などはメンテナンス費用がいらないわけでは無いのです。
保証の内容が「定期的に有料のメンテナンス工事を弊社でした場合に無償の保証も継続します」という内容なので勘違いしないようにしましょうね。
せっかく自分たちの希望を盛り込んだ注文住宅です。
いつまでも快適に住めるようメンテナンス費用の貯蓄を考えた返済計画を組んでほしいですね。
注文住宅を建てるお金について学ぶ・相談する
注文住宅を建てる費用は非常に複雑ですが、失敗しない注文住宅を建てるためにはクリアしなければいけない工程です。
その為にはあなた自身が注文住宅を建てる費用について詳しくなる必要があるでしょう。
注文住宅を建てるお金についての知識習得もやはり本から始めた方が良いのでここに2冊ほど紹介しておきます。
- 【「家づくりにかかるお金」すべてがわかる本】
家を建てる流れに沿って、いくらお金が必要なのかを網羅している本です。
この本は家を建てる出費についてだけでなく、コストダウンのアイデアが豊富に載っていることが特徴の一冊。
家を建てる流れを知りながら、コストダウンの方法も知ることのできる非常にお得な内容になっています。
注文住宅の資金計画だけではなく、間取りづくりの際にも活躍する一冊でしょう。
- 【住宅ローン借り方 返し方 得なのはどっち】
「借りられる金額と返せる金額は違う」事を前提に、ファイナンシャルプランナーとして20年以上のキャリアがある筆者が丁寧に解説している一冊。
比較的短い期間で改訂版を出している事も特徴で、最新版は2021年の住宅ローン事情を解説しています。
住宅ローンの制度を知ることができるだけでなく、住宅ローンを借りる際のノウハウも学ぶ事もでき、住宅ローンの基礎知識を身に着けるには十分な内容でしょう。
注文住宅を建てるお金について相談する
注文住宅を建てるお金については自分自身でもある程度対処でしますが、できれば早い段階からプロに相談することをおすすめします。
特にファイナンシャルプランナーに個人的に相談すると良いでしょう。
ファイナンシャルプランナーとは生活に関わるお金、例えば住宅ローンはもちろんの事、年金や子育て資金、毎月の家計のやりくりまで相談を受け、専門的な立場からアドバイスをする職業の方々なのです。
家のお金の事は家のお金のプロに聞いた方が確実でしょう。
注文住宅を建てるお金の相談には若干の費用が発生します。
中には無料相談しますと広告しているところがありますがなるべく避けるべきです。
無料相談の建築会社や不動産業の勧誘が含まれている場合が多々あるのですね。
基本的に相談関係は有料で、相談以外の利害関係が無いところを選ぶことは労力を無駄にしない秘訣ですよ。
「家は一生に一度の買い物」と言われるくらい個人にとって大きなお金が動きます。
ですから、慎重なくらいが丁度良いでしょう。
この記事も参考にして納得のいく返済計画を作ってほしいものです。
「土地あり」と「土地なし」では注文住宅建築の流れは違うの?
建て替えで「土地あり」の場合と、土地から探す「土地なし」の場合では注文住宅を建てる流れに差はほとんどありません。
ただ「土地なし」の場合は土地を探す必要があり、「土地あり」の場合は家を建てられる状態に土地を整備する必要があるのですね。
また、「土地あり」は土地代が必要ないので「土地なし」と同じ予算だったら資金的余裕が生まれます。
しかし、「土地あり」特有の注意点があることを忘れてはいけません。
- 解体費用
- 仮住まい
- 相続税
- 建てられる家の大きさを知る
「土地あり」で注文住宅を建てる際、計画の時点で意外と忘れられている部分なのでこの4点について解説しておきましょう。
ちなみに「土地なし」での土地の探し方は後程「土地探しのコツ」で解説します。
解体費用
現在家が建っている場合には解体費用が必要ですね。
解体費用については先ほど「付随工事」で解説したので参照してください。
建て替えや不整地に注文住宅を建てる場合は費用面でわからない部分が多いので、必ず概算見積もりを取って予算に組み込むようにしましょう。
仮住まい費用
今住んでいる家を解体して注文住宅を建てる場合、ほとんどの方はアパートなどを借りて家が完成するまでの期間生活するでしょう。
この仮住まいの期間は6ヶ月~8ヶ月と設定したほうが失敗は少くなります。
実際に注文住宅を建てる期間は平均して5ヶ月~6ヶ月ですが、天候などにより予定通り進まないと考え、長めの期間を考えていておくわけです。
相続税
親などから土地を譲り受けた場合、相続税などの税金が発生します。
税金は現金で準備しなければいけない費用。
計上漏れは資金計画に大きな打撃になってしまいます。
税金関係は非常に複雑な部分ですから、税務署や民間のファイナンシャルプランナーに相談して軽減措置なども上手に利用し、無駄をなくすように努めることが賢明でしょう。
建てられる家の大きさを知る
「土地あり」で建て替えの場合、今までの家と同じ大きさの注文住宅を建てられない場合があるので注意しましょう。
土地には必ず建築条件という国が定めた家を建てる条件がついています。
例えば建ぺい率や防火基準などの主に家の大きさや設備の制限ですね。
この基準が今の家を建てたより厳しくなっている可能性があります。
特に住宅密集地では新築は以前の家より狭くなると考えて良いでしょう。
ですので、できれば不動産会社などに依頼して敷地調査をした上で間取りづくりや資金計画をすることをおすすめします。
敷地調査の相場は5万円~10万円かかりますが、資金計画や間取りづくりを失敗しない為の必要経費と考えれば無駄な経費ではないでしょう。
ちなみに敷地調査に関しても無料調査は勧誘が含まれていますから、安易に利用しないよう気を付けましょうね。
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注文住宅建築の流れその2:建築会社探し・土地探し
私たちが理想の家を建てる為には建築会社の能力が必要になってきます。
土地探しは自分たちが永住する場所を決めるという事ですよね。
このように考えると「建築会社探し」「土地探し」は手を抜いて良いところではないと思えるでしょう。
ここでは重要な「建築会社探し」「土地探し」を成功させる為のポイントを解説していきます。
建築会社探しと土地探しの順番
結論から言うと建築会社から探したほうが圧倒的に有利になるでしょう。
自分たちの求める注文住宅を建ててくれそうな建築会社を見つけて建築会社と一緒に土地探しをするわけです。
建築会社と一緒に土地探しをするメリット。
- 土地に合わせたプランニングがしやすく、プランニングの時間が十分に取れる
- あなたが求める注文住宅を知っているプロ目線で土地を選定してもらえる
- 建築会社が持つネットワークが使えるので希望の土地を見つけやすい
注文住宅のイメージを実際の形にする為には十分なプランニングの時間が必要です。
またせっかく土地を見つけても、土地の形状や建築条件の制約で求める注文住宅を建てられない失敗も防げるでしょう。
このような理由で土地と建物をセットで考えられる建築会社と一緒に土地を探す意義は大きいのですね。
建築会社選定基準は「提案力」「現場力」そして「相性」
注文住宅はいくら自分たちが理想の家をイメージしても建築会社の能力によって成功するか失敗するかが決まってしまうと言って過言ではありません。
自分たちは実際に建てる技術は持っていないわけですし、知識を得たとしても経験不足は否めません。
ですから、建築会社の「現場力」と「提案力」は必要になってきます。
また、建築会社は注文住宅を建てた後もメンテナンスや修繕で付き合っていく存在。
長く付き合う上で建築会社や担当者と自分達との「相性」も大切になってくるでしょう。
このような存在の建築会社を探すコツは以下の4点。
- 必要な情報を収集し、建築会社を絞り込む
- 実際の建物を見て「現場力」を判断
- 「相性」の判断
- 相見積もりで「提案力」を比較
建築会社選びの失敗は注文住宅の失敗と考え妥協しないで探してほしい部分。
この4点を詳しく解説していきますので、建築会社探しの参考にしてください。
必要な情報を収集し、建築会社を絞り込む
建築会社はただやみくもに探しても、求める注文住宅を建ててくれる建築会社と出会うことは難しいでしょう。
ですので、行動を起こす前にインターネットや住宅情報誌を活用して建築会社の絞り込みをします。
建築会社の絞り込みでは「注文住宅はどのような住宅か?」で解説した事を踏まえつつ、次の点を中心に判断すると良いでしょう。
注文住宅を建てたい地域に精通しているか
特に土地から探す場合は、一緒に土地を探してくれる建築会社がその地域の実情を知っていたほうが都合がいいですよね。
また、建築会社が注文住宅を建てたい場所からあまりにも遠ければ、打ち合わせや施工管理にも時間がかかってしまいます。
将来のメンテナンスを考えても、家を建てる地域から1~2時間程度の距離までの建築会社に候補を絞った方が賢明でしょう。
工法やデザイン、価格帯は自分たちが求めている要件を満たしているか
工法やデザインが求めている注文住宅にぴったりでも価格帯が高ければ予算内で建てることは難しい場合があるでしょう。
また、価格が安くても、工法やデザインの要求を満たせなければ、求める注文住宅は手に入らないわけです。
情報収集の段階ではこのバランスを掴みにくいところはありますが、ホームページの施工例などを参考にある程度の目安をつけておくべきでしょう。
建築会社の活気度を判断
活気のある建築会社は良い提案、良い工事をしてくれる傾向にあります。
建築会社の活気度はブログの更新頻度や勉強会・展示会を積極的に開催している等の情報から判断できるでしょう。
また施工例なども比較的新しく、詳しくホームページに載せているかなども大事なチェック項目ですよ。
建築会社の考え方が自分と合っているか
建築会社のホームページには会社の理念や社長の考え、会社の方向性などが載っているはず。
それらを読んでみて、自分たちが求めている注文住宅と方向性が一緒なのか感じてみましょう。
建築会社との「相性」に関係しますが、自分たちと考え方が合っているかは意外と重要な部分ですよ。
実際の建物を見て「現場力」を判断
建築は現場が主体です。
ですから、営業マンの巧みな言葉を信じるより、実際に建てた現場を見たほうが建築会社を判断する早道でしょう。
建築会社が建てた注文住宅の「現場力」を判断する方法として以下の3つの方法が考えられます。
モデルルーム・モデルハウスの見学
建物や設備はグレードが高い場合が多く参考にならない場合が多いですが、間取りを中心にデザインの傾向を知ることが出きます。
また家についての知識を得たあなたなら営業マンに振り回されることなく建築会社や建物の情報を聞くことができるでしょう。
ハウスメーカーや大手ビルダーで注文住宅を検討しているのであれば、モデルルーム・モデルハウスの見学はある程度の「現場力」を判断できると思いますよ。
現場見学会に参加
タイミング的に難しい場合もありますが、自分たちが建てる家と近い状態の注文住宅を見られる現場見学会は参加したいものです。
特におすすめは構造見学会。
構造見学会とは内装が始まる前の状態、つまり柱や建物の構造がむき出しの状態で見学会を開いている現場見学会。
家にとって重要な部分の建築精度を直接見られる少ないチャンスとも言えます。
また、隠れる部分を見せられる建築会社の自信の表れとも考えられるでしょう。
現場見学会に参加する場合は、気になる建築会社のホームページをこまめにチェックして時間に余裕を持ってじっくり見学してほしいですね。
建築途中の現場を訪問
建築途中の現場を見せてもらうことで、生の現場の雰囲気や職人の技術、建築会社のモラル等、総合的に判断できるメリットがあります。
自分たちが建ててもらう場合を一番イメージしやすい方法でしょう。
しかし、遠くから見学する分には問題がないのですが、敷地内に入りたいときは事前に建築会社に許可を取り、職人さんの邪魔にならないよう配慮が必要ですよ。
それぞれの方法で現場を見て事前に調べた情報と一致、もしくはそれ以上の「現場力」ならば建築会社の有力な候補と考えて良いでしょう。
「相性」の判断
建築会社や担当者と自分の「相性」は感覚的な部分になるので判断が難しいですが、次のような時に注意して観察すると良いかもしれません。
建築会社の雰囲気
モデルルームや展示会、事務所を訪問した時の社員の話し声や行動、会社の整理整頓状況。
良い建築会社は活気があるはずですから、見えないところでも活動的に動いているはずです。
担当者の能力と相性
自分たちと直接打ち合わせや現場の指示をする担当者の能力と相性は建築会社以上に大事になってくる部分。
担当者がプロ目線でメリットやデメリットを話しているか。
代替え案などを積極的に提案してくれているか。
売ることが目的ではなく、自分たちの為に考えてくれているか。
このようなことを中心に担当者を観察すれば誠実に対応してくれているか判断できるでしょう。
相見積もりで「提案力」を比較
建築会社を最終決定する際に各社に相見積もりを依頼します。
そして各社から提出された概算見積もりとラフプランを比較して建築会社を決定するわけです。
この概算見積もりでは安さは判断基準にあまりなりません。
見るべきポイントは各社の「提案力」と本気で概算見積もりを作ってくれたかの2点。
- 自分達が注文住宅に求める部分が建築会社の特色を生かしつつ見積もりやラフプランに反映されているか
- 概算見積もりの内容が「一式」ではなく、内訳まで可能な限り詳しく記載されているか
- 担当者がこちらの質問にできる限り詳しく回答しており、代替え案なども積極的に提案しているか
このような点を判断材料に建築会社を比較するといいでしょう。
建築会社を判断する為に概算見積もりを依頼する際、守ってほしいルールがあります。
- 各社に自分たちが建てたい注文住宅のイメージをできるだけ細かく、鮮明に同じ方法で伝える
- 「この概算見積もりで最終的な建築会社を決めるつもり!」と本気で伝える
この2つのルールは、各社に無駄になるかもしれない概算見積もりを本気で作ってもらう為に大事な事ですよ。
施主のことを考えている建築会社は、たとえ概算見積もりでも無駄な費用を抑えつつ、あなたが求めている事を最大限に生かした提案をしてくるはずです。
そのような建築会社に出会う為にも、建築会社は妥協しないでトコトン探してみましょう。
土地探しのコツは「自分の目で確認する」こと
注文住宅を建てる土地を決めるという事は一生住む場所を決める事です。
その大事なことを他人の言葉や写真だけで判断すべきではないでしょう。
土地探しで一番大事な事は、購入予定の土地に行って直接自分の目で土地を判断する事。
無理やりでも十分な時間を作って土地と地域を自分の目で直接見ることをしなければ必ず失敗につながると思うべきですね。
ここでは直接土地を見る事を前提に土地探しのポイントを解説していきます。
土地を探す地域設定はアバウトに
「土地は出会い」と言います。
良い土地に出会うためには、できるだけ出会う機会を多くするために探す地域をできるだけ広く設定することがポイント。
「〇町に住みたい」ではなく「□市の東側」。
「△地区から会社に通いたい」よりも「会社から車で30分圏内」などですね。
このように広く地域設定をすれば、例えば売り出し中の区画整理された建築条件なしの土地があるかもしれませんし、中古付きだけど安く好条件の土地があるかもしれません。
地域を限定してしまうとこのようなチャンスも逃してしまうのです。
土地に関しても譲れない条件は少なくして融通性を持つことが良い土地に出会えるためには大切なんですね。
土地の見るべきポイント
土地の見るべきポイントは家族が安心して安全に暮らせる土地なのかという点です。
確かに土地が安ければその分の費用を建物本体工事に回せますからお得なのですが、安くても家族が不安になる土地では意味がないですよね。
土地は家族が安心して安全に暮らせる事を優先しつつ、値段や土地の形状、条件も合わせて確認していく事が必要でしょう。
ここでは土地候補を見つけた際に上記のことを踏まえた上で確認すべき事項をまとめました。
土地候補を判断するときのチェックシートとして活用してください。
建築条件
先ほども解説しましたが、建築条件のチェックは忘れずに。
建築条件の他に造成地には建築会社の指定がついている場合があり、土地は買ったが建築会社が選べなかったなどの失敗もあるので書類のチェックも大切ですよ。
ただ、建築会社と一緒に土地を探すときにはあまり気にしなくてもプロの目でチェックしてもらえる部分です。
地盤
地盤の状態は資金計画に関わってきます。
地盤については建築会社と一緒に土地を探しているのであれば、建築会社が使っている地盤調査会社に周辺の土地データをもらえば、ある程度の強さがわかるので利用しても良いかもしれませんよ。
また、地盤については、ある程度以上強度があれば、地盤改良工事で十分強度が確保できるので予算的に問題なければ優先事項としては低く考えても大丈夫でしょう。
ハザードマップ
近年は自然災害による被害が深刻化していますね。
ハザードマップで被害範囲を確認する事は必要ですが、自分の足で土地周辺を確認することも大切でしょう。
絶対に大丈夫という事は無いですが、特に今まで住んだことのない地域でしたら周辺を知っているだけで安心感に繋がるものですよ。
日照条件
一日を通しての日当たりのチェック。
同時に将来的にマンション建設などで日当たりが変わるかなどの情報があればベストですね。
日当たりや風の通り抜け具合はプランニングに大きく影響する部分。
例えば日当たりが悪くても間取り次第では明るい住宅は建築可能なので、建築会社に相談する上でも調べておいた方が良いでしょう。
前面道路へのアクセス
建築条件とは別に前面道路に出るために邪魔な縁石や電柱があれば撤去費用や移動の申請の手間が必要となるので確認しておきましょう。
また前面道路へのアクセス距離が長いと私有地内の上下水道引き込み費用が多く必要となるので、その点もチェック項目です。
各施設へのアクセス
学校やスーパー、駅などへのアクセス、距離などは家族にとって適切なのかは確認しておきましょう。
何点かは妥協が必要ですが、生活パターンに関わってきますから家族で話し合う部分ですね。
また将来的に学校や商業施設ができる予定があるなども調べておくと土地選びの融通性が高くなるでしょう。
交通状況・騒音
前面道路や周辺の交通量は家族にとって安全か。
土地周辺の騒音は防音対策が必要なのか。
これらは工法や間取り、家族の安全に関わる部分です。
昼間の交通量・騒音はもちろんですが、夜の方が騒音が気になったり、交通量が多かったりする場合は大いに考えられるので、できるだけ色々な時間に確認したほうが良いですよ。
近隣の危険度
昼間は閑静な住宅街でも夜になると雰囲気が変わる地域は意外とあるものです。
感覚的な部分になりますが、できれば女性視点で住みたい地域の危険度を昼と夜確認してみましょう。
お隣の状況
特に住宅密集地では、お隣のボイラーの位置やリビングの位置、玄関や勝手口等の位置を確認しておきましょう。
また、可能なら隣接する家の生活パターン、例えば夜勤が多いなどが分かればベストですね。
互いのプライベートに干渉してしまってトラブルになったという事はよくあります。
ですが、事前に知っていれば間取りで防げる場合もあるのでチェックを忘れないようにしましょう。
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注文住宅の流れその3:プランニングから契約、住宅ローンの申し込み
建築会社が決まればいよいよ本格的なプランニングが始まります。
プランニングが完了すれば工事請負契約、住宅ローンの申し込みと進んで行くわけです。
このプランニングや契約では建築会社は自分たちを手伝ってくれている存在、主体は自分達との気持ちが注文住宅を成功させるポイントとなるでしょう。
ここでは自分たちが主体でプランニングや契約をする為の心構えを紹介していきます。
注文住宅のプランニングは納得いくまで続ける
自分たちの建てたい注文住宅のイメージを図面に落とし込み、実際の費用を算出するプランニング。
プランニングで一番大事なことは「自分たちが決めたことに後悔しない」こと!
プロの意見が必ずしも正しいわけではないと考え、納得いかないこと、腑に落ちないことはトコトン聞くべきです。
それで関係が悪くなることはないでしょう。
逆に家を建てた後に打ち合わせと違うなどの失敗やトラブルを避ける事に繋がります。
またプランニングでは回数や期間を気にしてしまうと、それも後悔の原因となってしまうでしょう。
プランニングの終了はお互いに納得した時と割り切った方が気持ち的にも楽になると思いますよ。
プランニングで決めた注文住宅の仕様、金額がこれから自分たちが住む家となるわけです。
妥協せず、自分たちに不足している知識があれば、「次回打ち合わせまでは覚えてやるぞ!」くらいの気持ちでプランニングに臨むと丁度良いかもしれませんよ。
工事請負契約のタイミングと確認事項
建築会社と交わす工事請負契約は単なる法律上必要な契約と考えてはいけません。
これから家族が快適に安心して暮らせる注文住宅を手に入れる契約と考え臨んでください。
- 今まで打ち合わせしてきたことがしっかり反映されているか
- 打ち合わせ漏れはないか
- 建築会社と自分たちとの認識の違いはないか
このような点を中心に契約書の内容を隅々まで確認する必要があるのですね。
しかし、工事請負契約書は図面や特記事項など様々な書類があり、契約の場で全てを確認するには時間が足りないでしょう。
ですので事前に工事請負契約書の写しをもらって自宅でゆっくり確認する事をおすすめします。
また、工事請負契約後は建物の構造や重要部分は変更できなくなりますから、クロスの色や照明など金額的に小さい部分のみ残して、他の主要部分が決まってから契約をすべきです。
無駄な失敗やトラブルを防ぐ意味でも不明な点は質問して、多少時間がかかっても納得した上で契約を結ぶことが大切ですよ。
住宅ローンを申し込む前にもう一度確認しよう
住宅ローンは本審査申し込みの前に仮審査を申し込む場合がほとんどです。
この仮審査の時にもう一度住宅ローンを再検討しましょう。
- 工事費用は自分たちが返せる金額に収まっているか
- 住宅ローンの金利、返済期間は適切か
注文住宅のプランニングをしていると金銭感覚がずれて大きい買い物をしている感覚が薄れてしまっている場合があります。
また、自分が思っているより気分が高ぶっている場合があり、思わず高いグレードの設備を選んでいる可能性があるのですね。
そのようなときに住宅ローンの借入額を再検討すれば、冷静になり無理のない状態なのかチェックできるわけです。
住宅の失敗はやり直しが利きません。
第三者の視点で冷静に見ることを心掛ける必要があるでしょう。
注文住宅建築の流れその4:工事着工~引き渡し
ここまで長い期間かけて準備した事は全て工事着工後に反映されます。
しかし、ここで気を抜いてしまうとせっかく頑張ってきたことが無駄になる可能性が非常に高くなってしまうのですね。
ですので、ここでは施主であるあなたが工事着工後にすべきことを解説していきましょう。
注文住宅の総監督はあなたです!
あなたは残念ながら工事着工後は工事に直接かかわることはできませんよね。
しかし、あなたがこの現場の総監督という気持ちで現場にできる限り足を運び、工事の進捗状況をチェックしていく事が自分たちの家を成功させる秘訣なんですね。
現場が始まってから気が付く部分があるでしょう。
収まりについて不明な点があるかもしれません。
そのような部分を1個1個確認していく事によって、さらに精度が上がっていくわけです。
ですから、わからないこと、不明なことはすぐその場で質問したほうが良いでしょう。
邪魔にならないように職人さんに質問しても構いません。
大切なことは自分が納得した上で工事を進めてもらう事!
また工事現場にこのような気持ちで通うことによって、現場に良い意味の緊張感が生まれ、職人さんとのコミュニケーションを取れ、より良い家が出来上がるでしょう。
注文住宅の建築工程を紹介
注文住宅の建築が始まってからは意外と早く工事が進むものですが、その中には様々な工程が存在します。
あなたが総監督で現場をチェックするためにも、主な工程と流れを知っておいた方がいいでしょう。
ここでは日本の主流工法である木造在来工法を例にして工程を紹介していきます。
基本的にはどの工法でも流れは一緒ですから参考にしてください。
①地盤調査・地盤改良
注文住宅を建てる地面が家を支える強度があるか調査し、強度不足の場合は地盤改良工事を行い地面の強度を確保します。
通常、地盤調査は土地購入後しかできないので予算計画の時点では多めの予算計上をしておくと間違いが無いでしょう。
②基礎工事
家を支える基礎を鉄筋とコンクリートで作ります。
鉄筋を配置した時点で1度検査機関が入り問題ないかをチェックする工程が入ります。
雨で基礎の強度が落ちることはないですが、工期が伸びてしまう場合があるので着工時期には気を使っても良いでしょう。
③上棟・棟上げ
建物の骨組みである柱や梁(はり)を組んで、屋根の簡易防水まで一気に完成させます。
工法によってはこの時点で床下地を組む場合があるでしょう。
1日から2日で家の形が出来上がっていく作業は見ていて壮観ですよ。
上棟式も通常この後控えていますから、安全なところで自分たちの家の形が出来上がる工程を家族で見学するのも良い思い出になるのではないでしょうか。
④外部造作・屋根工事
外壁やサッシを取り付ける為の間柱や家の強度を保つ為の筋交い、もしくは構造用合板を貼る工程です。
この時、各木材の繋ぎ部分への金物取付工事も進めていきます。
建物が完成した後は見えなくなる部分ですが、家を丈夫で長持ちさせる為に大切な部分です。
あなたも現場に足を運び見ておくべきでしょう。
大工さんの屋根下地が完了した時点で屋根工事の業者が入ります。
金物などの取り付けが完了すれば公共から指定を受けた検査機関が建物の強度や防水性に不備がないか検査に入ります。
この中間検査に合格しなければ次の工程に入られないのですね。
中間検査後、ほとんどの場合ユニットバスの設置となります。
⑤サッシ取り付け・断熱工事・防水工事
中間検査と前後してサッシ枠の取り付け工事が開始されます。
断熱工事やバルコニーの防水工事もこの時期になりますね。
ちなみに断熱や防水の仕上がりを見たいときには工事中は近づかない方が賢明です。
この二つの工事は工事中の環境が最悪で、とてもじゃないですが素人の方が耐えられるレベルではいからです。
どうしても見たいというのでしたら休憩中や職人さんに許可をもらった上で離れたところから見てくださいね。
また、気密性能・断熱性能はこの時期でほとんど決まってしまうので担当者と共にしっかりチェックしていきましょう。
各職人さんが入り乱れて作業する時期でもあります。
この時期がスムーズにいくかは建築会社の現場担当の腕の見せどころでしょう。
⑥外壁工事・内部下地工事・電気配線工事
外部は今まで防水シートなどで防水性を保っていましたが、本格的に外壁を貼り外部を仕上げていきます。
内部では大工さんが壁や天井の下地作成を開始。
2階への階段やドア枠などもこの時期に取り付け始めます。
各部屋の具体的な形の決まってくる時期ですから、家具の採寸なども可能になってくるでしょう。
電気配線工事は大工さんの内部下地工事が完了する前に終わらす必要がある為、電気工事の職人さんも頻繁に出入りする時期です。
コンセント・スイッチ類の移動や増設はこの時期以降難しくなりますから、できれば電気工事の職人、担当者を交えて現場で打ち合わせした方が良いでしょう。
⑦内部仕上げ工事
床材を貼る工程は若干前後しますが、概ねこの時期ですね。
同時に壁・天井の石膏ボードを貼り、細部の造作が終われば大工工事の完了です。
クロスや照明などの最終決定が後日の場合、この時期にクロスなどの決定・発注・施工の流れになるでしょう。
⑧照明などの設備、インテリア仕上げ
クロス施工後に取り付ける必要のあるインテリアなどの工事です。
エアコンなどもこの時期になりますね。
各取り付けが完了後、養生材の撤去、補修、ハウスクリーニングの流れです。
⑨竣工
建物本体工事が終わり検査前の状態を竣工と言います。
これから検査そして引き渡しと進んでいくわけです。
施主立ち合い検査は本気でやる!
竣工後は外構工事が残っている場合が多いですが、建物本体については以下の流れで進んでいきます。
「各種検査」→「施主立会検査」→「補修」→「住宅ローンの決済」→「引き渡し」
→「引っ越し」
この中で施主立会検査は施主であるあなたが完成した注文住宅を検査する機会です。
法律上必要な検査では何のですが、施主立会検査は完成検査の中では一番重要と考えて良いでしょう。
施主立合検査では主に次のことを見ていきます。
- 壁や床のキズ
- 床の軋み。手すりなどの強度
- 照明やコンセントの配置
- キッチンなどの設備が打ち合わせ通りの商品か、配置は予定通りか
- ドア、窓の軋み
- 収納の棚の位置
- 外壁のコーキングなどの雨じまい
- 外部の設備
これまで現場に通っていたのならチェックしていると思いますが、施主立会検査でお互いに納得することで、今後付き合っていく上でのトラブル防止に繋がるわけです。
施主立会検査を儀式的にとらえている建築会社もいますが、本来は上記のような意味がありますから、しっかり契約書にも記載してもらいましょう。
また、上記の点検項目以外にも設備の説明などが建築会社からあるので結構時間がかかります。
施主立会検査は理想の注文住宅を手に入れるための最後の締めと考えて、十分な時間を確保して臨みましょう。
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注文住宅建築の流れその5:家を建てた後
注文住宅は建てて終わりではありません。
家を建てた後に家族が幸せに暮らしていかなければなりませんよね。
注文住宅を建てたことにより家族が不幸になることだけは避けなければいけません。
その為の方法をこの記事では解説してきました。
ですので最後に家を建てた後、家族が幸せに暮らせるための注文住宅を建てる方法を、注文住宅を建てる流れに沿ってまとめて終わりにしましょう。
- ①知識習得
自分たちが建てたい注文住宅を知る、率先して動くためには知識武装が必要。
期間に縛られて疎かにしてはいけない部分。
3年後に新しい生活が手に入るくらいの余裕で注文住宅を計画しよう。
- ②間取り
流行りに乗らない、自分たちが使いやすいを優先した間取りが一番飽きが来ない。
また、先輩方の失敗を生かした間取りづくりを心掛けよう。
- ③資金計画
注文住宅を建てるお金を知って、家を建てた後を考えて資金計画は組むべき。
住宅ローンは「借りられる金額ではなく返せる金額」。
- ④建築会社探し
建築会社の特徴を知って、自分たちの求めている注文住宅を建てられる建築会社を妥協せず探していこう。
ポイントは建築会社の「現場力」と「提案力」そして自分との「相性」。
- ⑤土地探し
「土地は出会い」。
住みたい地域はアバウトに、譲れない部分は少なくする。
土地探しの優先事項は家族の安全と安心!最後は直接自分の目で見て判断を。
- ⑥プランニング
プランニングは妥協せず建築会社とも家族ともトコトン話し合おう!
プランニングの終わりは互いに納得した時、期間で縛られないで
- ⑦契約
工事請負契約、住宅ローンの契約は勢いでしてはダメ。
一度冷静になって内容を見直して、納得した上で契約しよう。
- ⑧工事着工後
自分が総監督と考え、積極的に現場に通いチェック、打ち合わせを密にしよう。
わからない事、不明な点はうやむやにせずその場で解決。
納得した上で工事を進めてもらえばトラブルや後悔は少なくなる。
- ⑨施主立ち合い検査
理想の注文住宅を手に入れる最後の締め。
儀式的な検査ではなく本気で臨み、建築会社とあなたが納得すれば今後の付き合いも良好になるでしょう。
- ⑩メンテナンス
注文住宅の快適性と暮らしやすさを維持するためにはメンテナンス工事を定期的に行いましょう。
メンテナンス工事さえしっかりやれば何十年と家の性能を維持できますよ。
メンテナンス費用は月1万円~2.5万円の貯蓄が必要。
注文住宅を建てた後を考えた資金計画の際にはしっかり計上してほしい費用です。
まとめ
注文住宅を建てる流れの中で重要な部分は以下の4つ。
- 家のイメージ
- 資金計画
- 建築会社探し
- 土地探し
土地探しは、すでに土地を持っている方、建て替えの方はあまり重要ではないですが、この4つをどれだけ頑張ったかによって、注文住宅を建てた後が全く違ってくるでしょう。
この記事でもこの4点の解説を重点的に網羅してきました。
しかし「ここまでは必要ないのでは?」と考えるのでしたら、建売の建築会社に「この金額で家を建てて」とお金だけ渡して丸投げした方がよっぽど失敗のない家が手に入るでしょう。
注文住宅は自分たちの理想とする生活を手に入れるために、自分の資金の範囲内で何ができるか悩み考え作り上げていくものです。
逆に言えば注文住宅はこの工程を楽しめる方が選ぶ、家を手に入れる方法なのかもしれませんね。
失敗や後悔の無い注文住宅を建てることは大変です。
しかし、家について素人だったとしても、注文住宅を建てる流れを知り、必要な知識を得ることができれば、理想の注文住宅を手に入れられる可能性は十分にあります。
ぜひこの記事を参考に、求める理想の注文住宅を手に入れてください。
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